ハルカゼタンポポ   <季節・春>

 


「ハルカゼタンポポ」  
作:タネダー

 

蝶, 花, 受粉する, 受粉, 白蝶, 蝶の羽, 翼のある昆虫, 鱗翅目, ペア

 

ああ春の匂いがする 新しい色の風が吹いている 

頭の上の太陽は 優しくて 新鮮な空気をほんのり暖める

僕のワクワクは心の30% 残りは寂しさと不安だろう

思い出の日々 見慣れた過去たちが おもりになっている

 

そんな自分を迎え入れた春 これはオープニングセレモニー

小鳥は鳴くし 花も咲くし 川には雪解け水だ

まだひよっこで黄色いタンポポは もうすぐ白いフワフワを身にまとい

この春風に乗り 太陽のある大空へ もうすぐ飛び立って行く 

周りをきょろきょろしながら 

 

 

 

ああ夏の匂いが混ざる 高まる不安は どうしてもアルバムに入りきらない

春風が生まれる大空 変わりゆく大気の流れ 

この小さなタンポポは どんな風に乗り どこへ向かって どこに着地するのか

目の前の春霞 反射する薄白い光 先は見えない

 

この春が始発点 新たな一歩踏み出す その瞬間の足元 もう霧の中

この先の道 燃え盛るときもあれば 凍ってしまうこともあるだろう そのサイクルを人々は宿命と呼ぶ

小さなタンポポよ この先の 未知を 宿命を 恐れるがいい 不安も抱えていい

とりあえずこの春風に乗り 遥か彼方へ飛んでゆくがいい 

決意は後からついてくるから

 

 

 

今まさに 飛び立つ カウントダウンはいらないよ

無限の羽をまとった ハルカゼタンポポ 大空へ