ポエム

ハルカゼタンポポ   <季節・春>

「ハルカゼタンポポ」 作:タネダー ああ春の匂いがする 新しい色の風が吹いている 頭の上の太陽は 優しくて 新鮮な空気をほんのり暖める 僕のワクワクは心の30% 残りは寂しさと不安だろう 思い出の日々 見慣れた過去たちが おもりになっている そんな自分…

悲劇のヒロインになったよ   <恋愛・失恋>

「悲劇のヒロインになったよ」 作:タネダー アイツと付き合うと決めたあの時から この物語はもう始まってたんだな おまえは俺の全てだとか お前がこの世で一番大事だとか ああ あの時は散々いい言葉を並べて来たくせに ああ そんなに簡単に一番のお宝を捨て…

雲量が8~9割の大空   <人>

「雲量が8~9割の空」 作:タネダー 空に広がる薄い灰色 その間を埋める水色 今日の天気 日記には何と記そうか 晴れか曇りか 雲量が8割以下で晴れ 9割以上で曇り どちらにも見える 分からない 決めつけられない 今日の日記には天気がない 良いとか悪いだとか…

才能   <人>

「才能」 作:タネダー 僕には才能がない でもあの人にはある 僕は人生負け組だ でもあの人は勝ち組だ テレビに映る歳が同じくらいの成功者 ぶっ飛んだ自慢話 未来を話してる 僕は認めたくない 欠点を探そうとする 運がよかったんだと思いたい 心に潜む闇が …

プラットホーム   <社会>

「プラットホーム」 作:タネダー 紺色スーツにブリーフバッグ ひと回り大きい学生服 空港行きのスーツケース 誰もが それぞれの行く先に向かう 時は流れ アナウンスが流れ 電車は流れ 人は流れる すっと立ち寄っては すっと立ち去る ここにとどまるものは誰…

夏の夕暮れ   <人>

「夏の夕暮れ」 作:タネダー 夏の夕暮れ ビーチには 寂しい波のざわめき 焦げた線香花火 たくさんの人であふれる海で 水しぶきを上げたあの日は どこに行ったの? 夏の夕暮れ 校庭の桜には もはや緑の面影はなく 根元の蝉はもう うるさくない 必死に木を登…